小さな庭のあさがおとひまわり。

やわらかな土を持ちあげ、ひょっこり芽を出したとき、

「お日さまは、なんて、暖かいんだ」

「お日さまは、なんて、明るいんだ」

 あこがれてあこがれて、お日さまにあこがれて、上へ上へと向かって伸びていった。

 上へ上へ。

 振り返らず、まわりも見ないで、ただただお日さまに向かって伸びていった。

 伸びて伸びて。

 風に吹かれても、雨に打たれても、その向こうにあるお日さまを信じて。

 

 横に見えるのは、ただひまわり。

 と、そして、あさがお。

「負けないぞ」

「負けないよ」

 つぼみがふくらむころには、高く高く、空高く伸びて。

 花を咲かせたとき、お日さまはもう、目の前にあった。

「お日さまに会えたよ!」

「お日さまに会えた!」

 小さな庭のあさがおとひまわり。

 あこがれて、あこがれて、お日さまにあこがれて、とうとう、お日さまに会えた。

 うれしくて、うれしくて、その種ははじける。

 はじけた種は、星になって、降ってくる。

 見上げると、ほら、落ちてくるよ。

 お日さまにあこがれて、空まで伸びたあさがおとひまわり。

 あふれた夢のかけらが、飛んでくるよ。

コメント: 1
  • #1

    しがみねくみこ (木曜日, 29 12月 2022 19:33)

    わお。
    自分でアップできました!
    なんか、ほぼ偶然だけど。(*^_^*)